【セールスライティング】成約への近道は読者の悩みを高解像度で描写すること。

セールスライティングの際に非常に有効となる技法の1つに「読者(見込み客)の現状や抱えている悩みを正確に描写する」というものがあります。

「PASONAの法則」や「PASTORの公式」といった、セールスライティングではお馴染みの法則においても、最初はProblemやPainの頭文字であるPから始まることが殆どなことからもわかるように、まず顧客の抱えている現状や悩み事を描写し、強い共感性を作り出すことで、その後の「解決策の提示」としてのセールスの効力も大きくなります。

逆に、読者の悩みや現状について、ふわっとした言葉でしか語れていなかったり、読者にとってピンボケしたような「ちょっと違う」内容になってしまっていたり、読者が普段使っていない言葉や表現で語ってしまうと、読者の購買意欲は思うように上がっていきません。

まずは、読者の抱えている悩みを高い解像度で描写することから、確実にクリアしていきましょう。

目次

占い師にマインドコントロールされる人が多い理由

あなたの身内に占いを過剰なまでに信奉したり、占いに日々の行動の全てを支配されている方がもしかしたらいるかもしれません。

あるいはテレビのワイドショーやネットニュース等から「あの芸能人は実は高名な占い師に洗脳されている!」という話を聞いたことがあるかもしれませんね。

占いを信じることも占い師に人生のアドバイスを求めることも、特段何も悪いことだとは思いませんが、なぜ「子供をどの小学校に入れるべきか」とか「転職のタイミングはいつにしたらいいか」とか「今の彼氏と結婚しても良いかどうか」、「病気の治療方針について」といった人生の岐路における重要な判断を占い師に委ねてしまう人が多いのでしょうか。

僕はその理由の1つに「占い師によって、今現状抱えている悩みや困りごとを特定されるから」というものがあると考えています。

つまり、人は自分の悩みや困りごとをピタリと言い当てられると(あるいは言い当てられたと感じると)、その人が自分の抱えている問題を解決する手段まで知っているものだと勘違いをしてしまうのです。

本来「問題や課題が何かを知っていること」と「その解決方法を知っていること」は何も関係がないはずなのに、無意識のうちに「問題を知っている人」イコール「問題解決方法まで知っている人」だと思い込んでしまうというわけですね。

伝説のマーケターの金言

『ハイパワー・マーケティング』などの著書で知られる伝説のマーケター、ジェイ・エイブラハムもこのような言葉を残しています。

コピーの読者である買い手が抱える困りごとを買い手が共感できるような言葉で正確に描写すればするほど、買い手は本能的にコピーの書き手が困り事の解決策を持っているに違いないと感じる。

ありとあらゆるセールスライティングの公式が「P」(Problem、Pain、Person)から始まっているのも、まず顧客の悩み事や問題を正確に描写することで「このセールスレターの書き手は自分の問題をここまで明確にわかってくれている。…ということは、自分が抱えている問題の解決策を所有しているに違いない!」と潜在意識に刷り込ませる目的があることがわかります。

その上で、困り事に対する共感や、困り事を放置するデメリットがきて「Solution(解決策)」を提示する形で商品のオファーがかかるわけですね。「ほら、あなたの期待どおり、ちゃんと私はあなたの問題を解決する方法を持っているんですよ」と言わんばかりに。

読者の悩みを「高い解像度」で描写する

ジェイ・エイブラハムの言葉で僕が特に大事だと思っている点は2つあります。

  • 買い手が共感できるような言葉で
  • 正確に描写すればするほど

逆に言えば、どれだけ読者の悩み事を言語化したとしても、それが買い手が共感できない言葉で綴られていたり、不正確に描写されていた場合は、そこまでの効力が期待できないというわけです。

ライティングに慣れていない人の文章にありがちなのは、とにかく抽象度が高くて、解像度の低い、曖昧な表現を好むことです。

例えば「痩せなくて悩んでいる」とか「恋人が欲しい」とか「人生を変えたい」とか「会社を辞めたい」と言ったように、抽象度が高く、それを見ただけでは具体的な心情もわからなければ、その心情を抱くシチュエーションも見えてこない、空虚な言葉たちです。

僕は内定先も決まり、あとは残りの学生生活をエンジョイするだけだった大学4年生の夏に、とある問題を抱えていました。

それは「彼女がいなかった」ということです。大学入学直後から2年半ほど付き合った元カノと別れてからは、たまに合コンやら友人からの紹介やらで女の子と知り合うものの関係性は発展せず。貴重な夏休みのほとんどは友人や後輩との飲みや、築地にあるスポーツ新聞社でのアルバイトで潰れていくばかり。

隅田川の方で大きな花火大会が予定されていた7月某日。僕は誰もいないスポーツ新聞社の休憩室で缶コーヒーを啜りながら、ぼんやりと思いました。次の大きな花火大会までに、浴衣の似合う彼女を作りたいと。

当時の僕に対して「素敵な恋人を作りませんか?」というオファーが流れてきても、僕は全く興味を示さなかったでしょう。なぜなら解像度が低すぎてイマイチ感情移入ができないし、僕が欲しかったのは「恋人」ではなく「彼女」だったからです。

だからこそ、顧客の問題点や悩み事を描写するときは、とにかく解像度を上げることと、顧客が普段から使っている言葉を用いることを心がけることが大事です。「意味さえ一緒ならいい」のではなく、顧客の脳内に入り込むイメージで、顧客にとってベストな言葉で具体的に表現していきましょう。

高解像度ライティングのコツは「ストーリー」を使うこと

解像度の高いライティングをするための、最も簡単で誰にでも今すぐできる方法が「ストーリー」を使うことです。

ちょうど今さっき僕が大学4年生の夏休みの話をしたのと同じように、顧客が抱えている悩みと属性の近い悩みを抱えていていた経験を持つ別の顧客、あるいは自分自身のストーリーを語ることで、自ずと読者の心も自然と開かれていきます。

ストーリーの持つ効用の1つが「読者にとっての読みやすさ」です。

コピーライティングにおける3つのNOTに「NOT READ(顧客はコピーを読まない)」がありますが、そもそも文章を好き好んで読みたがる人は多くありませんし、たくさんの情報を摂取したがる人も少ないでしょう。

ただ、ストーリーが好きな人は古今東西、非常に多いです。

「諦めると夢は叶わない」と一方的に説教くさいメッセージを受け取ることに嫌悪感がある人でも、『スラムダンク』を読んで「諦めたらそこで試合終了だよ」という安西先生の名言に胸を震わせたりするわけですから。

ストーリーの持つ大きな効用の2つ目が「共感」を生み出せることです。

読者の悩みを具体的に明記することがポイントだとはいえ「あなたはこんなことに悩んでますよね?」と延々と語られると「勝手に決めつけないで」と反発してしまったり、良い気分がしない人もきっと多いかもしれません。

でも「実は私はこんなことに悩んでいて…」とか「私の顧客の○○さんは、元々△△で…」と他者のストーリーとして語られることで、読み手も自然と文章に没入することができますし、書き手に対して共感や親近感を覚えます。

当然のことですが、顧客は愛着や親近感を覚えるブランドから商品を買いたいと思います。

「自分が読者の問題を解決できる人間であると感じてもらう」ことに加えて「共感や親近感を感じてもらう」ことのできる、ストーリーの威力は凄まじいものがありますし、ストーリーを語ることで自ずと様々な周辺情報や心境描写を描く必要があるので、自ずとライティングの解像度も上がっていきます。

読者は個人的なストーリーを自分ごとに置き換える

自分や顧客のストーリーを高い解像度で語ろうとすると、自ずと個人的なエピソードや登場する固有名詞も多くなります。そうなると、共感できない人も増えてしまうのではないかと心配になる人も多いかもしれません。

でもその心配は全くの杞憂です。なぜなら読み手は語り手の個人的なストーリーに対して、勝手に自分ごとに置き換えて受け取ろうとするからです。

『金持ち父さん 貧乏父さん』がアメリカを舞台にしたストーリーを使用していても、登場人物たちに強く共感する日本人は非常に多いですし、2000年以上前の中国大陸を舞台にした『キングダム』から生きる指針や仕事術を学ぶ日本のサラリーマンも後を絶ちません。

ちなみに僕は「会社を辞めて別の働き方を叶えたい」と思っていた時に熱中して読んでいたのが、大手出版社を辞めて独立したノマドワーカーの女性の本と、公務員を辞めてインターネットビジネスで起業した男性のメルマガでした。

ノマドワーカーの女性は世界を旅することが大好きで、とにかくアクティブでキラキラしたイメージで、元公務員の男性はあまりプライベートが見えてこないミステリアスなイメージ。両者から受け取る印象は真逆でしたし、僕が勤めていたのは、それなりに堅いイメージのある大企業で、自由闊達な出版社とも公務員とも全然違ったんですよね。

ただ、僕は両者の語るストーリーにどんどん引き込まれていきましたし、両者の語るストーリーの細部に自分自身の人生との共通点を見出しては、勝手に感情移入をしてのめり込んでいきました。

その女性の著書には「新入社員時代にコピー取りすらできなくて上司から無能の烙印を押された」といった内容が書かれていたのですが、当時新入社員だった僕は、コピーを取ることすらできないなんてことは流石にありませんでした。

ただ「なんでこんなこともできないの?」と先輩から思われているんじゃないかとビクビクしながら過ごしていることは多かったですし、みんなが当たり前のようにできていることが自分にはどうしても覚えられず、それが大きなストレスになっていることはあったので「この人は自分と同じような悩みを抱えていたんだ!」と自然と自分ごとに置き換えて共感できたんですよね。

「こんな話をしても、誰も共感しないだろう」という思いから、多くの人に共感するエピソードを語るために抽象的なライティングをしたがる人も多いですが、それは大間違いです。

抽象度の高い文章は、頭にスッと入ってこないですし、読んでいて面白いものではありません。具体性の高い文章を読んだ読者は、その中から共感できる部分を探したり、自分ごとに置き換えて共感をするので、どんどん具体的な話を固有名詞などを用いながら語っていきましょう。

抽象的なライティングになる人の2つの勘違い

読者の抱えている悩みを提示しようとするビジネス実践者は多いですが、「読者が共感できるような形で」悩みを言語化できている人は多くありません。

その理由は先述したように「ライティングの抽象度が高くなっていること」に問題があります。

「仕事ができなくて辛かった」と言われるよりも「コピーすら取れないほど仕事ができなくて辛かった」と言われる方が、仮に自分自身はコピー取りが問題なくできたとしても、心に残り共感してもらえる可能性は高くなります。

「お金がなくて辛い」、「ダイエットに成功したい」、「もっと自由な時間が欲しい」…といった悩みは読者が抱えている悩みを端的に表したものかもしれません。ただ、人の気持ちは本来、端的に表すことのできるものではなく、無数の周辺情報も併せて語ることで「辛い」とか「自由になりたい」という読者の悩みにリアリティが付加されていくのです。

では、なぜ多くのビジネスプレイヤーは抽象度の高いライティングになってしまうのでしょうか。その理由として考えられるのが

  • 端的に言ったほうがいいと思っているから
  • 顧客層が狭まると思っているから

こちらの2点です。「物事は端的に言わないといけない」と思い込んでいる人は多くて、確かに端的に物事を伝えることで、メッセージのわかりやすさは増しますし、冗長な文章はメッセージをわかりにくくする恐れがあります。

ただ、わかりやすさと「共感できる」かどうかは別問題です。

「幸せになりたい」とか「会社が辛い」と言われて「うん、めっちゃわかる!」と心の底から共感できる人は果たしてどれくらいいるでしょうか。

それよりも「毎日朝から晩まで家と会社を往復するばかりで、会社の人とは表面上の付き合いだけで友達もいなくて、家に帰っても疲れているから、スマホでダラダラとパズドラをするかTikTokを眺めているかしかない…」と言われた方が「会社の辛さ」をより感情的にインプットできるでしょう。

また、具体的にライティングすればするほど、顧客層が狭まると勘違いしている人も多いですが、本当にそうでしょうか?

上述したように、読者は他者のストーリーを勝手に自分ごととして置き換えて共感をするものです。主婦から起業したストーリーを読み、勇気をもらって行動を起こした男性サラリーマンなんて、この世にたくさんいるでしょう。

セールスライティングの成約率を高める上で、読者の悩み事を正確に高い解像度で表現することは、この上ない効果をもたらす秘薬のようなものです。

ぜひ、そのためにも「あなたの顧客は誰で、どんな毎日を過ごしていて、どんな悩み事を抱えているのか」と常に徹底的に向き合い続けましょう。

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