努力ができない人、努力が苦手な人に贈る言葉

困難な目標を達成したり、何かを成し遂げるためには、人並み以上の努力が必要です。僕はその価値観をそれなりに気に入っていますし、割と当たり前の考え方として受け入れられています。

成功には努力はいらないと主張する人もいます。彼らは口を揃えてこう言います。「成功者は夢中になって没頭しているだけだから、努力をしているなんて本人は思っていない。努力は夢中に勝てないよ」とか「努力をしないための努力が必要。楽をするための工夫をしないと、いつか必ず行き詰まるよ」とか。

でも、それも要するに「努力」の範疇じゃないですか。「努力はいらない」って言った方が非常識な感じがして人々の注意を引くことができるし、キャッチーな言葉を演出できるからそう言っているだけで、要するに「努力しろ」って言ってるのと同じなんですよ。

自分が辿り着きたい場所に自分を引き上げるための全てのアプローチは「努力」と呼んで差し支えないと僕は考えています。

だからこそ「努力ができない人」は、ビジネスで成功するとか、大きな何かを成し遂げる上では不利になっていく一方です。もちろん彼らが幸せになれないとは思いません。今の状況を受け入れながら、今の自分のままで幸せに生きていく手段だってたくさんあると思います。

でも、ビジネスで結果を出したいとか、今よりも自由なライフスタイルを手にしたいのであれば、やはり「努力が苦手」という特性は自分を不利な状況に追いやっていく一方ですし、最低限の知性や思考力まで自分を高めていかないと、楽して儲かる系の情報商材などに無駄金を叩いてしまいかねません。

ということで、今回は「努力が苦手」だけど、ビジネスで成果を出していきたいと考えている人に向けて、メッセージを届けていきたいと思います。別に僕も根っからのスポ根キャラではないですし、上から誰かに向かって何かを言いたいとも思ってないですけど、この記事が誰かのキッカケになればいいなと願って書かせていただきます。

目次

「努力することが苦手なんですけど…」

以前、個人向けのビジネスコンサルをやっていた時に、とあるクライアントさんからこんなことを言われたんです。

「僕、努力することが苦手みたいでして…」

その時、僕はびっくりして言葉が出なくなってしまったんですよね。内心では「えー!そもそも努力って苦手とか得意とか、そういう概念で話すべきテーマなの!?ただの言い訳じゃなくて!?えー!わからない!!」って感じだったんですよ。そもそも人生を振り返ってみたら、受験とか部活とか、あるいは料理とかレポートとか宿題とか「努力」によって何かをクリアしなければいけないシーンは数え切れないほどあったわけで。

でも、多分それが当たり前だと決めつけてはいけないんだなと思うんです。

僕は全然努力をしない人生もアリだと思っています。特に今の日本ってあーだこーだと言われておりますが、客観的に見ても非常に弱者(と呼ばれる人たち)に優しい国です。政治や国に文句を言ってる人たちには、ぜひ公平な立場から、他の国や他の時代を見てみてほしい。そもそも「今のこの時代に、この日本という国に、人間として生まれることができた」だけで超絶勝ち組みたいなものなんですよ。

だから、自分で納得できるラインまで生活レベルを落としたり、あるいは日常の中で何気ない楽しみなんかを見つけたりしながら、面白く生きていくのもとても素敵なことですよね。

でも「努力は苦手だし、努力できないけど、自分で起業して年収1億円以上稼げるようになりたいです」とかになってくると話は全く変わってきます。正直、個人ビジネスにおける必要な努力の総量なんてたかが知れています。毎日コツコツとコンテンツを作るとか、売れるまでの仕組みをコツコツ構築するとか、せいぜいその程度です。

高校野球の超名門校の毎日の練習とか、中学受験のためにSAPIXに入って毎日猛勉強することと比べたら「努力」と呼べるほどのレベル感ではないはずです。

なぜ「努力が苦手」だと感じてしまうのか

  • どうしても実現したい高い目標がある
  • どうしても回避したい最悪の未来がある
  • 強制力が働きやすい環境に身を置いている

このような世間一般的にみても「努力しやすい状況」になっても、残念ながら努力ができなかったり、続かない人はたくさんいます。

僕は高校卒業した後、1年間の浪人生活を送ることになりました。現役時代、どの大学にも合格することができなかったからです。そして僕は河合塾の早慶を目指すコースの一番上のクラスに入りました。僕を含めて生徒は約100人ほどでした。最初にチューターから「このクラスから早慶に合格できるのは3割くらいだ」と説明を受けました。

僕は疑問でした。どうして私大受験のトップのクラスなのに、30%の生徒しか合格ができないんだろうと。そんなに受験というのは厳しい世界なのかなと。でも、すぐにその理由がわかりました。100人いた生徒のうち3割はゴールデンウィーク明けには塾に来なくなり、夏になるとそれが半分になり、受験前にもなると授業に出席しているのは全体の3割ほどまで減っていたのです。

なぜ努力ができないのか。その理由は心の要因が大きいはずです。

つまり「頑張って努力をしても何も変わらないかも知れない。報われないかも知れない。だから努力をするのは怖い。それなら最初からブレーキをかけて何もしない方がマシだ」という考え方ですね。

ミスチルの『しるし』という曲で、桜井和寿さんは「半信半疑=傷つかないための予防線」と歌いました。また『俺はまだ本気出してないだけ』という作品も一時期話題になりましたね。

最初から自分にブレーキをかける人は少ないかもしれないけど、顕在的には「よし頑張るぞ!」と思っていても潜在意識で「上手くいかなかったらどうしよう」とか「頑張っても無駄になってしまうかも知れない」という思いが膨らんでいって、本気を出すことから逃げてしまう人はきっと少なくないはずです。

努力が苦手なんじゃないんです。ただ本気を出すのが怖いだけ。それを上手くキャッチすることができなくて「努力が苦手」とか「努力ができない」という言葉で表現してしまうのかもしれないですね。

ダメな自分を受け入れてあげよう

それを踏まえて「努力が苦手」と悩んでいる人の悩みに回答していきたいと思います。

まず大事なことは、ダメダメな自分でもちゃんと受け入れてあげて、自分自身を愛してあげることです。「なんだそんなことか」と思いましたか?

でも、自分を受け入れるというのは生半可な覚悟でできることではありません。自分の現実や過去とちゃんと向かい合って、見たくない部分や受け入れたくない部分も直視して、その上でありのままの自分を認めてあげて、そして悪いところやダサい部分や最低な部分も全部ひっくるめて愛してあげないといけないのです。

世の「ありのままの自分で!」と言っている人たちが果たしてどれくらい本当にありのままの自分と向き合えているのか、僕には疑問でしかありません。わかんないけど、多くの人が見ているのは「ありのままの自分」ではなく「ありのままの自分がこうだったらいいなー」という想像なんじゃないかと思うんです。

僕は何か新しいことを始める時、「自分は最底辺からのスタートだ」と思い込むようにしています。その方が教わったことを真剣に吸収できるようになるし、ちょっとした変化や成長でさえもプラスに捉えることができて、成功へのプロセスを心の底から楽しめるようになるからです。

自己重要感が低い人は、ありのままの自分を認めてあげることができません。現在の自分の実力だったり実績が低い状態、すなわち理想と現実のギャップが大きな状態を受け入れることができず、プライドだけが肥大化していき、自己評価が異常に高くなっていく傾向にあります。

ただ、本質的なところで未来の自分を信じてあげられないから、それこそ「傷つかないための予防線」を引くかのように、本気を出さなかったり、努力をしないという選択を好んでしまうのです。

なんでそんなによくわかるのかって?

昔の僕もそういうタイプの人間だったから、痛いほどに理解ができてしまうんです。自己評価だけが高くて理想と現実のギャップが大きくて、自己重要感が毎秒ダダ下がりしながら生きている人間。それが僕でした。

「自己評価は低く、自己重要感を高く」というマインドで生きていけば、ダメダメな自分でも受け入れてあげられるようになります。今の自分はショボいけど、未来の自分はきっと成功できているはずだと、ポジティブな勇気を持って日々を生きられるようになるんです。

逆に「自己評価が高く、自己重要感が低い」という状態になってしまうと、失敗したくないとか恥をかきたくないという意識が先走ってしまいます。つまり自分自身を変化や行動から遠ざけてしまうのです。

だからまずはダメダメな自分ごと受け入れてあげましょう。その上で「こんな自分にも素晴らしいところはたくさんあるんだ」と認めてあげることから始めていくのです。ダメな自分だから上手くいかないのも当たり前、失敗することも当たり前。そう思えたら、自ずとミスや挫折を乗り越えやすい体質になっていきますよ。

自分なんてこんなもの。だから頑張って乗り越えていこう。そう思えたら、大抵のことは乗り越えていくことができるのではないでしょうか。

努力が報われなかったとしても問題ない

「失敗したらどうしよう」とか「努力が報われなかったらどうしよう」という不安に襲われることもありますよね。それについては「別に努力して報われなかったとしても、それはそれで問題ないよね」程度に捉えておくのが一番いいんじゃないかと思います。

正しい方向性で進んでいけば、多少のトラブルがあったとしても、必ず最後には上手くいくと僕は思っています。だからと言って、一発でクリアできることはなかなかありませんし、途中でいくつもの壁にぶつかってしまうのが普通です。

「失敗は成功の母」という有名な言葉もありますが、1回の努力がすぐに目に見える形で報われるとは限りません。というか、1回で全部うまくいくなんて奇跡は普通の人間には起こらないのです。色々と思い通りにいかないことがあるおかげで、もっとブラッシュアップするためのヒントだったり、反省材料が得られるわけですね。

失敗から学びを得ることで、次に挑戦する際の成功確率を上げることができます。そして個人のオンラインビジネスの場合、挑戦のコストが恐ろしく低いので、何度だって挑戦することができます。こんなに勝ちやすいゲームって普通はないですよね。

また、メンタル的な話をすると、仮に事業に失敗したり、今の売上がゼロになってしまったとしても、あなた自身の価値までゼロになるというわけではないですよね。どれだけ失敗しても、逆にどれだけ大きな成功を収めることができたとしても、あなたはただここに生きているというだけで等しく価値のある存在なわけですから。

自分自身でコントロールできることにフォーカスしよう

「努力が苦手」だと感じる人は、努力そのものだけでなく、その先に待ち受ける結果や絶望も含めて「苦手」だと受け取ってしまうケースも多いです。

まずは物事の間にちゃんと線を引いてあげましょう。

  • 努力
  • 結果
  • 感情

少なくともこの3つは独立した別々の要素です。

「結果」に関しては、完全に自分自身でコントロールすることはできません。ただ、結果に至るまでの自分自身の努力であったり、結果を受けた時の感情の持ち方は自分自身でコントロールすることができます。

僕たちにできることはシンプルです。自分自身でコントロールできることに全力で取り組む。そして、自分自身でコントロールできない領域に関しては、少しでも自分たちにとってプラスの受け取り方ができるようにすることだけ。

もしあなたが努力が苦手な原因が「結果が出なかったらどうしよう」という不安や焦りにあるのだとしたら、「そもそも自分でコントロールできないことを考えすぎても意味がないよね」という割り切りも必要になるかもしれません。

努力による「成長」は必ず保証されている

どれだけ努力を重ねたとしても、結果は保証されていません。しかしながら、努力による「成長」は間違いなく保証されています。

ブログ収益化を学んで実践したとして、思うように結果が出なかったとしましょう。ただ、その経験でWEBライティングの基礎が培われてライターとして独立できた人を僕は知っています。WEBマーケティングの基礎が培われて、転職や新しいビジネスに挑戦する際に有利に働いた人を僕は知っています。

あるいは「毎日習慣化できた」ことが自信になり、あらゆる領域で習慣化が効力を発揮して、人生の至る所で役に立つ未来だって容易に想像できるでしょう。

だからこそ、僕は断言したいのです。努力が無駄になることは絶対にないと。

ただ、自分自身が成長することに深層心理でブレーキをかけていたり、自分自身が変わることに抵抗がある場合は、本気の努力をすることができないし、その分、成長も微々たるものになる可能性はあります。

ちなみにその場合って「変わりたい自分と変わりたくない自分」が心の中で葛藤しているわけですから、めちゃくちゃエネルギーを使うんですよ。あなたにも経験はないですか。テスト勉強をしようかどうか迷っている時の方が、集中して勉強している時よりも精神的にかなり疲れたという経験が。

つまり本気で努力するよりも、中途半端な努力しかしない時の方がエネルギーを使っていたりする一方で、その場合の努力によるリターンは恐ろしく小さなものになります。そういう時に人は「報われない」と感じるのかもしれません。

だからこそ、結局は中途半端にやるくらいなら、本気で頑張った方がコストパフォーマンスも高いよねと割り切って、粛々と頑張っていく方が合理的に幸せになれるんじゃないかと思うんです。

努力ができる自分になるために大事なこと

一言で言えば「自己重要感を高めること」になります。

「自己評価は低く、それでも自己重要感は高く」が僕のモットーです。丁寧にいうと「今の自分は最底辺のダメダメ人間かもしれないけど、そんな自分でも今を生きてるだけで素晴らしいし、自分は自分のことが大好きでも何も問題ないし、今から頑張って色んな成長を遂げて、最終的に理想の自分になれていれば何も問題ないよね!」という気分で生きていけば、相当に成功しやすいモードになることができます。

逆に自己重要感が超低い状態でビジネスをしても、自分にブレーキをかけやすいので、行動力も伸びないし、挫折もしやすくなります。それに本気でやるよりも「疲れるし成果が出ないし成長しない」という悪循環に陥るので、なおさら自分のことが好きではなくなってしまうんです。

本来なら凹まなくてもいいところで凹んでしまい、さらに行動ができなくなっていくなんて、あまりにももったいないです。あなたはもう心のスイッチの入れ方1つ変えるだけで、大きな成果を出せるかもしれないのに!

だからこそ、まずはありのままの自分をプラスに捉えてあげてください。今の自分を認めてあげてください。良いところを探してあげてください。ダメな部分も許してあげてください。そして「こんな自分でも成功していいんだ」という許可を与えてあげましょう。

努力が苦手と考えているあなたは、多分きっと「許可を出せていない」だけかもしれませんよ。

CHECK IT OUT!!

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この記事を書いた人

コギシノゾムのアバター コギシノゾム 株式会社BILLETT、MAKEST代表

スモールビジネス×ブランディングの専門家。副業で月間100万PVを集める情報サイトを運営していたことがキッカケで、マーケティングやコピーライティングの世界に深くのめり込む。2015年に独立起業。以降は個人起業家や中小企業オーナーを対象にブランディングやビジネス構築のコンサルティングを行う。理想の顧客に売り込まずに売れるブランド重視の情報発信ビジネスの提案力が、自分の想いを大切にしたい顧客から多くの支持を得ている。

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